家にあるビジネス書で、買ってから10年以上経ったものでもう古いなと思われるものを処分することにした。最近買った本の置き場所がなくなってしまったからである。その時見つけたのが、1998年(初版36刷)の、
スティーブン・R・コーヴィー著「7つの習慣」(成功には原則があった!):キング・ベアー出版
である。
記憶では、会社で受講した7つの習慣の2日間の研修で配られたものだ。一緒にバインダ―式の手帳のようなものも貰った記憶がある。
研修の内容で覚えているのは、若い女性とお婆さんの絵と、大きな石ころと砂を容器に詰め込むときには、大きな石ころを先に入れ、後から砂を注ぐとよい、といった話だけで、後は何も残っていない。
この本も読んだ形跡が見られない。最初の方の若い女性とお婆さんの絵を除けば、どのエピソードも記憶にない。石ころの話は出てこなかったので、講義の中だけなのかもしれない。
そんなわけで、初めてのつもりで読み進めることができた。ところが、読んだ覚えはないのに、書かれていることは、常日頃私が考えていることと殆ど同じ(ちょっと言い過ぎ?)なのである。
主体性を発揮する(第1の習慣)は、例えば楠木建さんのパクリではあるが「生き残りのためグローバル化せざるを得ない」というようなアウトサイドインの考え方を改めて、自分で「こうしよう」という意志を持つインサイドアウトの考え方をせよ、ということである。
目的を持って始める(第2の習慣)は、志の高い技術者になろう、という私の事務所のモットーにつながるものである。
重要事項を優先する(第3の習慣)だって、「私はいつも優先順位を考えて行動してきた」と先日もあるミーティングで話してきたばかりである。
以降の、第4の習慣(Win-Winを考える)、第5の習慣(理解してから理解される)、第6の習慣(相乗効果を発揮する)、第7の習慣(刃を研ぐ)のいずれも、私がコンサルタントの研修の中で教えてきたことと同じ内容である。(ようにしか見えない)
実は、私は「7つの習慣」の研修で得たことをしっかり身に着けて実践してきたのか?実は、本書をきちんと読み込んで、自分のものにしていたのか?どちらもありえない。貰った手帳は一行も書かないうちに紛失してしまったし、本書はきれいなままである。
一つ考えられることがある。「7つの習慣」が日本にもたらされて17年になる。今でも書店に本書が並んでいる。それを身に着けた人が色々なところで研修したり、講演したり、引用しているうちに、例えばWin-Winのように一般的な概念になってしまったのかもしれない。
だとすれば、これは相当な影響力を持った本なのではないか。
先日、明け方に変な夢を見て飛び起きた。誰かが「お前が偉そうにブログに書いたりしゃべったりしていることは、全部『7つの習慣』のパクリじゃないか。もっとオリジナリティのあることをしゃべらないと馬鹿にされるぞ。」と言っている夢だった。「でも、私だけじゃなくて、他の人たちが話したり書いたりしている「いいこと」はかなり「7つの習慣」とかぶっているぞ。」と必死の抵抗をする私がいた。
2013年11月01日
15年前の「7つの習慣」に驚く
posted by 石田厚子 at 14:41| Comment(0)
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